農業での外国人雇用とビザ


●農業分野の外国人材雇用状況

農業分野でも外国人材は今や欠かせない存在となっています。
特定技能と技能実習の外国人材の雇用状況を見てみましょう。

「特定技能」は2019年4月にできた新たな在留資格(通称:ビザ)ですが、この特定技能ビザは、人手不足が深刻な14分野に、専門性や技能を持っている外国人材を受け入れるためのビザです。

農業分野においても深刻化する人手不足に対応するために特定技能ビザは活用されています。
2020年7月末時点の特定技能制度運用状況です。
特定技能1号在留外国人数6,669人 のうち、農業分野は1,020人です。


出典:「新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」出入国在留管理庁


そして、農業分野で圧倒的に多いのが技能実習ビザの外国人材です。農業分野の外国人労働者数は、この5年で2倍になりましたが、増加のほとんどが技能実習ビザで働く外国人材です。

それでは、農業分野の特定技能と技能実習のビザのご説明を致します。

1、技能実習ビザ   
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①目的
日本で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転を図り、開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することです。特定活動や特定技能と違って「実習目的」のビザです。
目的が「実習」であっても、上記の増加状況を見るとなくてはならない主力メンバーとして活躍されていますね。

②技能実習の期間
最長5年(技能実習期間中は原則帰国不可)
1号は1年、2号は2年、3号は優良企業のみで、優良企業になれば更に2年雇用できます。

③技能実習でできること
下の図にある職種・作業は3年間雇用でき、また優良企業になれば5年間雇用できます。


上の図は、農業の技能実習で、2号・3 号への「移行対象職種・作業」(2職6作業)となっています。
「移行対象職種」とは、その職種に従事している技能実習生が第1号技能実習から第2・3号技能実習に移行することを認められる業務です。
この図にある職種・作業は3年間雇用でき、また優良企業になれば5年間雇用できます。

技能実習生は農作業以外に農畜産物を使用した加工の作業の実習を行うことができるようになりました。
例えば、果物を材料としたジュース、ジャム等の製造、牛乳を原料としたチーズ等の製造、製造した商品の販売作業等です。

ですが、それらの業務ばかりやらせてはいけません。加工作業などの関連業務の従事は実習時間全体の2分の1以下、周辺業務の従事は実習時間全体の3分の1以下にしなければなりません。

2、特定技能ビザ  
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①目的
特定技能ビザは上記のように2019年4月にできた新たなビザですが、人手不足が深刻な14分野に、専門性や技能を持っている外国人材を受け入れるためのビザです。農業分野においても深刻化する人手不足に対応するために活用されています。つまり「特定技能1号」ビザは就労が目的です。

②特定技能の期間
通算で最長5年
特定技能制度では、外国人材に、
㋐5年間継続して働いてもらう、
㋑ 農閑期等には帰国し、通算で5年間になるまで働いてもらう、
㋐でも㋑でも、どちらでも可能です。

③特定技能ではどんな作業に従事できるか
外国人材は、主として、
㋐耕種農業全般の作業(栽培管理、農産物の集出荷、選別等)
㋑畜産農業全般の作業(飼養管理、畜産物の集出荷、選別等)
に従事することができます。

ご注意として、その業務内容には、栽培管理又は飼養管理の業務が必ず含まれていることが必要です。例えば、農産物の選別の業務にのみ専ら従事させるとことはできません

付随業務として、同じ農業者等の下で作業する日本人が普段から従事している関連業務(加工・運搬・販売の作業、冬場の除雪作業等)にも従事することが可能です。が、これもご注意として、専ら関連業務にばかり従事することはできません。


④特定技能「農業」の取得要件
特定技能「農業」の取得要件は
㋐農業分野の技能試験と基本的な日本語試験に合格するパターン
㋑技能実習の農業分野である耕種農業職種(3作業:施設園芸、畑作・野菜又は果樹)又は畜産農業職種(3作業:養豚、養鶏又は酪農)の2号を修了するパターン
上記2パターンのどちらかが取得要件になります。
㋑のパターンは㋐のパターンの試験が免除となります。


⑤受入れ機関等の条件
・「農業特定技能協議会」に参加し、必要な協力を行うこと
(1号特定技能外国人を受け入れた日から4か月以内に協議会の構成員となること)
・農水省が行う調査又は指導に対し,必要な協力を行うこと
・過去5年以内に労働者(技能実習生を含む)を少なくとも6か月以上継続して雇用した経験があること 等


⑥農業分野における特定技能雇用形態
特定技能は他の分野とは違い雇用形態が2通りあります。(派遣形態は農業と漁業のみ)
㋐農業分野の事業者を特定技能所属機関とする直接雇用形態
㋑労働者派遣事業者を特定技能所属機関として外国人材を農業分野の事業者に派遣する労働者派遣形態

なぜ、農業は労働者派遣形態による受け入れの必要性があるのでしょうか?
それは、農業分野は、
・冬場は農作業ができないなど、季節による作業の繁閑がある
・同じ地域であっても、作目による収穫や定植等の農作業のピーク時が異なる
といった特性があります。

農繁期の労働力の確保や複数の産地間での労働力の融通といった農業現場のニーズに対応するため、農業分野の事業者による直接雇用形態に加えて、労働者派遣形態により1号特定技能外国人を受け入れることが不可欠であるからなのです。

3、特定活動ビザ:外国人農業支援人材
 (国家戦略特区農業支援外国人受入事業)

農業支援外国人受入事業は、特区の指定区域において活用可能な事業です。国家戦略特別区域内において、関係自治体や国の機関が参画する適正な管理体制の下、農作業や加工の作業等に従事する日本の農業現場で即戦力となる外国人材を特定機関(受入企業)が雇用契約に基づいて受け入れる事業になります。

本事業は、「農業支援外国人受入事業」のサイトによると2019年2月25日付資料によりますと、特定技能へ段階的に移行することになったとのことです。