飲食料品製造業での外国人雇用とビザ

●飲食料品製造業における外国人材の雇用状況

飲食料品製造業は、事業所数及び従業者数が製造業の中では第1位で、大都市圏とそれ以外の地域においては、従業者数比率に大きな偏りはなく、地域経済の観点からも雇用と生産を支える産業として重要な役割を担っています。

外国人雇用の具体的な数字を見ていきましょう。
2019年10月末時点での飲食料品製造業における外国人雇用状況の総数は130,814人で、最も多いのは、技能実習で、55,697人、全体の42%になっています。

出典:経済産業省「経済センサス」及び「工業統計調査」




また、「技能実習2号」への移行者が一番多い職種は食品製造関係となっています。




そして2019年4月から始まった新たな在留資格(通称:ビザ)である特定技能ビザの「特定技能制度運用状況」から2020年7月末時点の特定技能1号在留外国人数を見てみます。特定技能1号在留外国人数6,669人のうち、飲食料品製造業は2,365人で最も多くなっています。


※この「特定技能」ビザは人手不足が深刻な14産業分野に、専門性や技能を持っている外国人材を受け入れるためのビザですが、詳しくはこちらをご覧ください。

上の表のの数字から、飲食料品製造業は他の産業と比べて外国人雇用が大変多くなっていることがわかります。





●飲食料品製造業の人材受け入れの必要性
飲食料品製造業分野においては、ある程度目視や手作業に頼らざるを得ない工程もあり機械化の取組にも限界があります。それに2018年の食品衛生法改正により、2020年6月までに全ての飲食料品製造業者にHACCPに沿った衛生管理の制度化への対応が求められています。その為、今後、飲食料品の製造現場においてHACCPを含む衛生管理の知識を有する人材を確保していく必要性があるのです。

※HACCPは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの頭文字からきており、衛生管理の手法です。
食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保する衛生管理手法なのです。


●飲食料品製造業での求められる人材

飲食料品製造業での求められる人材とは、飲食料品の製造工程で衛生管理ができる人材です。

具体的には以下のような人材です。

・主な食中毒菌や異物混入に関する基本的な知識・技能がある。
食中毒菌の繁殖防止や殺菌の方法について正しい知識を身につけ、適切に対応できる。

・食品等を衛生的に取り扱う基本的な知識・技能がある。
原料の選別・洗浄から製造・保管までの間、食品を常に衛生的に管理できる。

・施設設備の整備と衛生管理に関する基本的な知識・技能がある。
施設内外の清掃・点検を的確に行い、施設設備の衛生状態を良好に管理できる。




●飲食料品製造業で取得されているビザ(在留資格)

上記の図でもご確認頂きましたように飲食料品製造業で取得されているビザで一番多いのが技能実習ビザです。
また、永住権等の身分に基づくビザで働いている方も多いです。この「身分に基づくビザ」を取得している方たちは、就労活動に制限がないため雇用する側にとっては一番雇用しやすい外国人です。

それから、留学生や家族滞在のビザの方ですが、資格外活動許可を得て決められた範囲(1週について28時間以内)で仕事してもらうなら通常は問題ありません。
ですが、やはり今後即戦力として雇用を考えておられるなら、「技能実習」ビザか「特定技能」(1号)ビザが良いでしょう。

そして、2020年2月改定の日本の大卒で高度な日本語能力を有する外国人が取得可能な「特定活動46号」ビザ工場のラインや食品製造会社でお仕事が可能となりました。
工場のラインで:日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対して通訳・指導しつつ、自らもライン作業をする。※ライン作業のみは不可
食品製造会社で:他の従業員との間で日本語を用いたコミュニケーションを取りながら商品の企画・開発を行いつつ,自らも商品製造ラインに入って作業を行うもの。
※ 単に商品製造ラインに入り,日本語による作業指示を受け,指示された作業にのみ従事することは不可。

「特定活動46号」ビザについて詳しくはお気軽にお問合せ下さい!

次は、飲食料品製造業での技能実習ビザと特定技能(1号)ビザについて見ていきます。


1、技能実習ビザ
技能実習サポートページはこちらをクリック

①目的
実習目的です。実習生が特定分野の技能等を習得するためのビザです。

②技能実習の期間
最長5年
1号は1年、2号は2年(通算3年)、3号も2年(通算5年)。3号は優良企業のみですが、優良企業になれば更に2年雇用できるということです

③転職
基本的に転職は不可です。

④対象職種・対象業種(特定技能「飲食料品製造業分野」との関連性から)
技能実習2号の対象10職種(食品製造関係)
缶詰巻締、食鳥処理加工、加熱生水産加工食品製造、非加熱生水産加工食品製造、水産練り製品製造、牛豚食肉処理加工、ハム・ソーセージ・ベーコン製造、パン製造、そう菜製造、農産物漬物製造
※従事できる関連業務・周辺業務は全体の作業の割合による制限あり、時間数も決められているので注意が必要です。



2、特定技能1号ビザ
特定技能サポートページはこちらをクリック

①目的
就労目的です。一定の専門性・技能を持つ即戦力の外国人材を労働力として受入れる就労目的のビザです。

②特定技能の期間
更新により通算5年。

③転職
じ特定産業分野での転職が可能です。

④対象職種・対象業種
1号特定技能外国人が従事する業務は、飲食料品製造業全般である飲食料品(酒類を除く。)の製造・加工、安全衛生です。あわせて、これらの業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事業所の管理の作業等)に付随的に従事することは可能です。

⑤飲食料品製造業の1号特定技能外国人の基準

㋐飲食料品製造業分野において特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人は、以下の(1)(2)の試験に合格した方➡試験合格パターン
(1)技能水準(試験区分)「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」
(2)日本語能力水準「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」
又は
㋑飲食料品製造業分野の第2号技能実習を修了した方➡技能実習修了パターン
以下の食品製造関係の技能実習2号(3年)対象10職種を修了した方です。
缶詰巻締、食鳥処理加工業、加熱性水産加工食品製造業、非加熱性水産加工食品製造業、水産練り製品製造、 牛豚食肉処理加工業、ハム・ソーセージ・ベーコン製造、パン製造、そう菜製造業、農産物漬物製造

㋐試験合格パターンか㋑技能実習修了パターンかどちらかのパターンになります。尚、技能実習を修了した方は技能及び日本語の試験が免除になります。

以下の図もご参考下さい。

(1号特定技能外国人の基準について)



⑥受入れ機関(特定技能所属機関)に対して特に課す条件と注意点

㋐条件
特定技能1号外国人を受入れる企業(特定技能所属機関)は以下が課されています。

・特定技能所属機関は、農林水産省、関係業界団体、登録支援機関その他の関係者で構成される「食品産業特定技能協議会」(以下「協議会」という。)の構成員になり、協議会に対し、必要な協力を行うこと。

・特定技能所属機関は、農林水産省又はその委託を受けた者が行う調査等に対し、必要な協力を行うこと。

・特定技能所属機関は、登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の実施を委託する場合は、協議会の構成員となっている、農林水産省及び協議会に対して必要な協力を行う登録支援機関に委託しなければならない。

㋑注意点
1号特定技能外国人が活動を行う事業所は、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、主として、以下7分類のいずれかに掲げるものを行っている事業所になります。

食料品製造業(中分類09)(※内訳については以下)
清涼飲料製造業(小分類101)
茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)(小分類103)
製氷業(小分類104)
菓子小売業(製造小売)(細分類5861)
パン小売業(製造小売)(細分類5863)
豆腐・かまぼこ等加工食品小売業(細分類5897)


※食料品製造業の内訳
○ 畜産食料品製造業(小分類091)
○ 水産食料品製造業(小分類092)
○ 野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業
(小分類093)
○ 調味料製造業 (小分類094)
○ 糖類製造業(小分類095)
○ 精穀・製粉業(小分類096)
○ パン・菓子製造業(小分類097)
○ 動植物油脂製造業(小分類098)
○ その他の食料品製造業(小分類099)
(でんぷん、めん類、豆腐・油揚げ、あん類、冷凍調理食品、惣菜、すし・弁当・調理パン、レトルト食品等)