明石商工会議所での起業応援セミナーパネルディスカッションにお呼び頂きました

先月、7月30日に明石商工会議所ビル7階ホールで開催されました「起業応援セミナーあかし2022」の「起業家パネルディスカッション」にパネリストとして呼んで頂きました。

今回のブログでは、7月30日にお話させて頂きましたことにプラスして、私自身が参加した2015年「創業塾」や開業当時のことを中心に、現在のこと等も少しご紹介させて頂きます。
起業を考えておられる方のお役に立てましたら幸いです。

「起業家パネルディスカッション」前半のお話等

1,行政書士の仕事説明をしてください。
行政書士の仕事の幅は大変広いです。
明石近辺の行政書士の方の業務でわりと耳にする業務は、以下のような業務でしょうか、、、。

・遺言・相続業務(遺産分割協議書作成や遺言原案作成サポートなど)
・許認可申請業務(建設業許可、飲食店営業許可、法人設立業許可など)
・成年後見業務
(認知症などにより判断能力が不十分になってしまった方の代わりに契約書作成や財産管理の支援する業務など)
私が専門としている行政書士業務は、日本で仕事をする外国人に「在留資格」(通称ビザ)を取る業務です。

2,現在の事業の概要は?(開業:2018年3月事務所)
・外国人の方が仕事をする時に必要な在留資格(通称:ビザ)の相談業務や取得の申請と代行
・技能実習生や企業の方への講師業務
・就労ビザや外国人雇用に関する執筆をして情報発信する業務
これら3つの業務を致しております。

3,経営者になる・起業する決意、きっかけは?
きっかけ:
2000年頃、香港の人材紹介会社で営業をしていた時に、日本企業の代表者と話をすることが仕事でした。
その時に、将来、人材関係の国際的な仕事で、日本企業の役に立つ仕事がしたいと思ったことがきっかけだと思います。
できれば会社に入らず自分一人でできる仕事がしたいと思っていました。でも、その仕事が何かは、ずっと分かりませんでしたが。

決意:
2009年頃、初めのきっかけからずいぶん時間が経ってからになりますが、日本にいる外国人の方の在留資格や生活の支援をしているNPO法人のボランティア通訳をする機会がありました。その時に外国人の方の在留資格を取る仕事があることを知りました。
自分が以前から漠然と思っていた「人材関係の国際的な仕事で、日本企業の役に立てる、おまけに個人事業主にもなれる仕事」が、行政書士だと知って、行政書士の資格を取って事務所を開くことを決意しました。

7年前の2015年の「創業塾」や開業当時のこと

(創業塾2022のチラシ)

1, 2015年の「創業塾」に参加
試験勉強している時から「集客」についてはかなり悩んでいました。
やりたい仕事ではあるけれど、こんなマイナーな仕事はどうやって集客するのだろう?と悩みを抱えたまま、本当にやっていけるのか?と試験に合格後も迷いはなくなりませんでした。
とりあえず、集客や個人事務所開業の本など読んで勉強したり、先輩の行政書士の方にご挨拶に行ったり、いろいろ動いている時、2015年の夏ごろに明石商工会議所の創業塾に参加しました。


2,「創業塾」に参加して良かったことや役立ったこと
マーケティングやビジネスプラン、集客の基礎など、それらの考え方の根本的なことを学べたのが、すごく良かったです。
「行政書士として実務をやる」ことと、「集客する」ことは別のことですが、「創業塾」に参加して先生方のお話を伺うことで、「集客」について悩んでいた根本的なことが、把握できたように思います。

自分の「お客様」は誰か?「ライバル」は誰か?については、分かっているようで、実は分かっていなかったり、絞り込みができていないため集客できなかったりします。「創業塾」で、「お客様」、「ライバル」の考え方や、事業計画表の概要など学びました。

今年も創業塾が開催されます。
起業のヒントやきっかけが見つけられる「学び」につながると思います。
明石商工会議所の創業塾2022についてはこちら
明石市の創業支援の取組みについて➡こちら


3,「創業塾」に参加する時(開業する時)の注意点
「創業塾」に参加する時(或いは、開業する時)の注意点は、「気負い過ぎないこと」、「ある程度の失敗や挫折はけっこうあると知ること」でしょうか。
創業塾に参加した時、参加していた周りの方が大きく見えました。
皆さん、それぞれご経験やスキルをもっておられ、自分でやっていけるのか?と思いました。

ですが、今考えると、気負い過ぎていたなと思います。自分に対して不要のプレッシャーでした。相談できる先生方や商工会議所の方もおられたので、もっと気楽に楽しんで参加すれば良かったと、今では思えます。

また、起業前は、失敗するのではないかと、いろいろ怖かったですが、今思うと「多少の失敗は仕方ない」と思いますし、「失敗と挫折」のお蔭で得たことは多かったです。 「取り返しのつかないような失敗や挫折」をしなければ、何とかなると思います。


4,開業当時の集客の挫折と再スタート
「集客」について、根本的な事は分かったつもりですが、実際「収入」につなげる方法が見つかりませんでした。開業したものの、初めに集客で挫折して、旅行の仕事や通訳案内士の仕事に戻りました。


でも、1年を過ぎるころ、このままではいけないと思いました。
それで、今度は以前しなかったことをしてみようと思い、在留資格取得業務の実務講座に通って実務を勉強しました。

そこで、ホームページと実務の相性が良いことを学び、ホームページを作りました。 その再スタートが、2017年頃だったと思います。かなり記事数を増やして半年を過ぎるころは検索画面の1ページに出るようになりました。

無料相談にしていたので、相談者が多くなってきました。ただ、在留資格を取るには条件的に難しいパターンのお問合せが多く、すぐには収入に結びつきませんでした。

でも、調べて回答するということを繰り返していたら、実務の勉強にはなりました。また、ホームページで、ターゲットとするお客様を絞り込むことで、「自分の求めるお客様が来てくれる」という手ごたえを得ることができました。

ところで、通常、商売を始める時は材料など、販売する商品の仕入れをすると思います。私の場合は専門知識を覚えて「実際のお客様のニーズに使える知識にする」ことが「仕入れ」になります。自分でHPを作って無料相談に答えていく事でその仕入れをして「売れる商品」を試行錯誤しながら作っていくことを学びました。

経営者としての経験を経て

良かった点:
行政書士は取り扱える書類や関われる分野が非常に広い職業です。その為、初めは「行政書士」をしていても、自分のやりたい事や好きな事が、別の事業展開につながっていく方がいます。

例えば、自分の専門分野を新人行政書士に教えるセミナー講師、他士業との連携で支援する空き家のワンストップサービスなど。経験、スキル、人脈で年商1億稼ぐような大きなビジネスをしている行政書士の方も、一握りだと思いますが都市部にはいます。

自分自身の事で言えば、ホームページを通じて昔からしたかった「執筆」の仕事依頼が入り、それがきっかけで、「調べて、書く」仕事の新しい試みが出来るようになりました。良かった点としては、業務に広がりができて、思った以上に自分の好きな、やりたい仕事ができるようになったことです。

こんなはずではと思った点:
集客の挫折から2年半くらい経った頃、就労ビザの仕事が忙しくなってきました。仕事が一方的にたくさん入り始めました。最初は大変ありがたいことだと嬉しかったのですが、思いがけない、悩みが出てきました。

自分のやりたい仕事ができなかったり、スキルアップできなかったり、自分のペースで仕事が出来ず、毎日仕事に追われました。お金の心配はなくなりましたが、これでは、会社勤めのしんどさと同じになると危機感を感じました。
この経験が、「こんなはずではなかった」と思ったことです。

現在の事業の様子 ~ コロナ禍の影響を交え ~

私は、外国人の就労ビザの仕事に特化しているため、コロナ禍の影響をかなり受けました。しかし、とりあえず、顧客様の中の国内にいる外国人の就労ビザの仕事などで、何とかこの仕事をやめずに頑張れました。

そして、このコロナ禍では思いがけず、自分の仕事を見直すことが出来ました。HPを作ったおかげで、最初2018年に執筆依頼がきました。それがきっかけになり、WEB関係の勉強がしたかったのですが、ずっとできませんでした。

でも、コロナ禍で時間ができた時に、SEO対策やWEBライターの勉強もし始めましたが、それで自分の仕事を見直すことが出来ました。

やはり、起業しても、できれば3,4ヶ月毎に事業の見直しをして、時代や状況に合うように自分の事業や仕事の方向性を変えていく努力をしていかないと、自分が本当に目指す目標には届かないと思いました。

起業家を志す皆様へのエール

起業する前に考えていた自分の理想通りにならない場合もあるかもしれませんし、時間がかかることもあるかもしれません。行動を起こしても無駄だったと感じることも、最初は多いです。

でも続けることによって、本当に少しずつですが、経験とか、知識とか、スキルになってお金に結びついていくと思います。

起業するにしてもしないにしても、後で後悔のないように、納得できるところまでは、少しでも良いので、一歩を踏み出す事をおすすめ致します。頑張ってください!

2022年08月07日