介護業での外国人雇用と就労ビザ
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2022年07月06日:
外国人材の受入れをしている介護施設をご紹介!介護施設でのビザもご紹介します
当事務所へのご相談やご依頼業務の中で、介護ビザ、技能実習ビザ介護職、特定技能1号介護分野に関するものはとても多いです。
それでは、介護の現場で働く外国人はどんなビザ(在留資格)で仕事しているのでしょうか?介護業界は他の業界、他分野に比べて取得できる在留資格(ビザ)の種類は多いです。
介護業で取得される就労ビザ
介護業で取得される就労ビザではどのうような種類のビザ(在留資格)があるのか見てみます。主なビザは以下のようなビザになるでしょう。
- 1,技能実習ビザ(介護職)
- 2,介護ビザ
- 3,EPA(経済連携協定)に基づく特定活動ビザ
- 4,特定技能1号ビザ(介護職)
- 5,決められた時間内(週28時間:資格外活動)でアルバイトできる留学ビザや家族滞在ビザ
- 6,就労制限の無い身分系ビザ
(永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者) - 7,特定活動46号ビザ
(2020年2月改定の日本の大卒で高度な日本語能力を有する外国人が取得可能なビザ。介護施設においては、外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら,日本語を用いて介護業務に従事する等のお仕事が可能です。)
「特定活動46号」ビザについて詳しくはこちら
- 8,技術・人文知識・国際業務ビザ
大学等で学んだ専門分野の技術・知識等と就職する会社での担当業務に関連性があれば取得可能な専門性と高度な技術のある人材のビザ。
以下では、1~4について簡単にご説明致します。
介護業での技能実習ビザ
平成29年11月1日から外国人技能実習制度に介護職種が追加されましたが、「技能実習」ビザは、その技能実習制度を活用した外国人「技能実習生」のビザです。
外国人技能実習制度の制度趣旨は、日本から諸外国への技能移転を目的としています。外国人を日本の介護現場に一定期間受け入れ、OJTを通じて技能や技術等を学び母国の経済の発展に役立てもらう制度です。
技能実習の介護職には他の職種にない固有要件があります。
例えば日本語能力について、入国時は日本語能力試験 N4程度が要件で、1年後はN3程度が要件という実習生への要件があります。また、実習実施者(受入れ企業)には、経営が安定している設立後3年を経過している事業所であることや、受入れることができる技能実習生は、事業所単位で、常勤介護職員の総数が上限という要件もあります。
技能実習生として外国人を受入れたい場合は、受け入れ団体である技能実習の監理団体を探すところから始まりますが、この監理団体にも固有要件があります。
そのうちの一つが、監理団体の役職員に5年以上の実務経験を有する介護福祉士等をおかなければならないので、この要件を満たしている監理団体を選ばなければなりません。技能実習の監理団体を選ぶときは、介護の技能実習生を指導・管理した経験が少なくとも3年以上の実績がある監理団体を選ぶことをおすすめします。
技能実習ビザについて詳しくはこちら
介護ビザでの外国人雇用
平成29年9月に介護ビザ(「介護」の在留資格)ができました。日本の介護福祉士養成校に通う外国人留学生は卒業して介護福祉士を取得すると「介護ビザ」が取得できます。この介護ビザの在留期間は一般的な就労ビザ(技術・人文知識・国際業務ビザ)のように更新できますし、母国の家族の呼び寄せも可能です。
介護ビザで在留する外国人数は毎年増加し続け、令和元年末には592 人、令和2年、1,714人、令和3年は3,794人です。また、介護福祉士の資格取得を目指して、日本の介護福祉士養成校に留学するケースも増加しています。介護福祉士養成校の外国人留学生入学者数は、平成
29 年度 591 人、平成 30 年度 1,142 人、令和元年度2,037人、令和2年度2,395人と急増しています。この急増は下記にあります経過措置に起因していると言えるでしょう。ただ、令和3年の外国人留学生数はすこし減少して、2,189人。やはり、コロナ禍の影響が出ていると思われます。
平成29年度より、養成施設卒業者も国家試験合格が必要となりましたが、令和8年度までの卒業者には卒業後5年間の経過措置が設けられています。養成施設を令和8年度末までに卒業する方は、卒業後5年の間は、国家試験を受験しなくても、または、合格しなくても、介護福祉士になることができます。
この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、5年経過後も介護福祉士の登録を継続することができます。この経過措置は養成施設卒業者の外国人留学生にとって専門的なビザ取得の大変なチャンスです。
介護福祉士養成施設を卒業した留学生の介護ビザについて詳しくはこちら
EPA(経済連携協定)に基づく特定活動ビザ
EPAとは、日本と相手国の経済活動の連携強化を図るもので、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国から外国人を受け入れています。平成20年から始まり、令和元年8月末では、累計受入れ人数は3国併せて6,400人を超えました。
母国で介護や看護等の学習経験や資格に関して一定の要件を満たし、また日本語の研修も受けた外国人を雇用できます。入国してから 4 年目に介護福祉士の国家試験を受験します。合格すれば
在留期間を更新しながら永続的に働くことができますが、不合格の場合は帰国しなくてはいけません。
外国人応募者と介護事業所のマッチングは国際厚生事業団が唯一の受入れ調整機関になっています。
このEPAの特定活動ビザは、在留期間は一般的な就労ビザのように更新できますし、母国の家族の呼び寄せも可能です。
介護業での特定技能ビザ
特定技能ビザは2019年4月から始まった新しいビザです。人材を確保することが困難な状況にあり、不足する人材の確保を図るべき産業上の分野(特定産業分野)に外国人を雇用する為のビザです。介護分野においても深刻化する人手不足に対応するため、専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人を受け入れることになりました。
ところで、2022年8月30日の閣議決定により、特定技能の在留資格における受入れ見込数の見直しと、制度の改善について、制度の運用に関する方針(分野別運用方針)の変更が行われました。
➡詳しくはこちら
特定技能外国人の受入れ見込数について
各特定産業分野における受入れ見込数は政府基本方針に基づいて、大きな経済情勢の変化が生じない限り、1号特定技能外国人の受入れの上限として運用されることになり、令和6年3月末までの受入れ上限となっています。
介護分野においては、当面、受入れ見込数を最大5万900 人とし、これを受入れの上限として運用するとのことです。
2022年9月末時点での特定技能介護人材は13,254人となっています。
介護の特定技能ビザを取得する要件
①試験に合格するルート
②介護の技能実習やEPA特定活動等を修了するルート
技能実習2号を良好に修了した方、
4年間にわたりEPA介護福祉士候補者として就労・研修に適切に従事したと認められる方は、「特定技能1号」への移行では、技能試験及び日本語試験等を免除されます。
介護の場合は、技能試験(介護技能評価試験)と日本語試験(国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4のどちらか)に加えて、介護日本語評価試験)に合格しなければなりません。
特定技能の他の分野は技能試験と日本語試験1科目ですが、介護のみもう1科目(介護日本語評価試験)があります。
従事できる業務
身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴,食事, 排せつの介助等)のほか,これに付随する支援業務(レクリエーションの実施,機能訓練の補助等)
ご注意:訪問系サービスは対象外
特定技能1号の家族の帯同
基本的に認められていません。
受入れ機関(特定技能所属機関)に対して特に課す条件
・事業所で受け入れることができる1号特定技能外国人は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限とすること。
・厚労省が組織する協議会に参加し,必要な協力を行うこと。
・厚労省が行う調査又は指導に対し,必要な協力を行うこと。
雇用形態
直接雇用に限る。
在留期間
通算で上限5年まで。
特定技能ビザは、受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象となっていますので、受入れ支援計画を含めた申請書を地方出入国在留管理局で許可してもらわなければなりません。
特定技能ビザについて詳しくはこちら
介護業界での外国人雇用と就労ビザのご相談
当事務所では、介護業界での介護ビザ、技能実習ビザ 、特定技能1号ビザ、特定活動46号ビザのご対応を承っております。また、専門科目と業務に関連性が認められる場合は介護業での技術・人文知識・国際業務ビザのご対応も可能です。そして、特定技能と技能実習に関しては、監理団体や登録支援機関についてのご相談の対応や受入サポートも行っております。
ご質問や疑問、書類作成や申請、そして受入れサポートに関することまで、どうぞ、お気軽にご相談下さいませ。
介護ビザについてはこちら
出典:
外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブック
技能実習「介護」における固有要件について
外国人介護人材受入れの仕組み・経過措置(厚生労働省)
新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組
インドネシア、フィリピン及びベトナムからの外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れについて
外国人介護職員の受入れと活躍支援に関するガイドブック
介護福祉士国家試験受験資格(資格取得ルート図)(注意1)
令和3年末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁)
「介護福祉士養成施設への入学者数と外国人留学生」(介養協)
公益財団法人社会福祉振興・試験センターHP
外国人雇用のお役立ちページ