外国人を採用し、就労ビザを取得する場合、雇用する企業側も審査されます。このページでは、技術・人文知識・国際業務ビザで外国人を雇用する場合の会社側の審査ポイントや技術・人文知識・国際業務ビザ申請時に提出する必要書類についてご説明致します。
出入国在留管理庁(入管局)では外国人を雇用する企業の規模を4つのカテゴリーに分類し、申請時に必要な添付書類を分けています。
就労ビザを申請する場合には、まずは、貴社がどのカテゴリーに当たるかを調べます。カテゴリー1、2の企業は申請書類の大半が免除されます。
- カテゴリー1
上場企業、保険会社、日本又は外国の国・地方公共団体など。
日本の証券取引所に上場している企業、保険業を営む相互会社、日本又は外国の国・地方公共団体、独立行政法人、特殊法人・認可法人、日本の国・地方公共団体認可の公益法人、法人税法別表第1に掲げる公共法人、高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)、一定の条件を満たす企業等。
- カテゴリー2
未上場の大規模企業。
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人。
- カテゴリー3
設立2年目以降の中小企業。
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く)
- カテゴリー4
新設会社。
カテゴリー1から3のいずれにも該当しない団体・個人。
技術・人文知識・国際業務ビザの会社側の主な必要書類と審査のポイントについてです。
- 1、どんな事業を行っている会社か
会社の説明のため、入国管理局から求められる書類として主な書類は、カテゴリー1は、四季報の写し、または日本の証券取引所に上場していることを証明する文書、主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書写しなど。
カテゴリー2・3は、前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表のコピー(受付印あるもの)在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)。
カテゴリー3は、「登記事項証明書」、「定款のコピー」パンフレット、会社案内、会社のホームページなど(役員、沿革、業務内容、主要取引先、取引実績が記載されたもの)。
カテゴリー4は、カテゴリー3と同じ書類、事業計画書などです。
- 2、どのような職務内容で外国人を採用するか
用意する書類:雇用契約書・雇用条件所、採用理由書
採用理由書は必要書類に入っていませんが、外国人材が大学で学んだ専門と業務内容が一致すること、外国人材の必要性などをしっかり説明するためにも付けることをおすすめします。
①雇用契約・条件書ポイント
どのような職務内容での採用かの説明は職務内容を雇用契約書に記入するのに加え採用理由書で詳しく説明します。
②採用理由書ポイント
貴社のどの部門に配属し、どのような職務をしてもらうのか、その職務に必要な専門知識と申請人の関連性、申請人の日本語能力、海外との接点、その申請人を雇用する必要性(日本人ではなく、その外国人材でなければならない理由を含める)、外国人の従事する業務は十分な業務量があること等を説明。
- 3、会社の財務状況
会社の財務状況の説明書類:
・直近年度の決算報告書(貸借対照表、損益計算表)
・前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表
(受付印あるもの)
会社の経営状況が安定していることが必要。赤字の場合は将来の会社の安定性をアピールする書類の添付が必要になる場合がある。
- 4、外国人の給与水準
申請する外国人の給与水準が日本人と同じである必要があります。(雇用契約書)
同じ職務内容の日本人とその申請する外国人のお給料に差があると就労ビザは許可されません。
※立証のご注意
法務省のホームページ等あがっているリストは受理する最低限の書類です。それらの書類だけを提出すれば十分というわけではありません。
不慣れな企業担当者様や外国人の申請人の方はこの「最低限の書類のリスト」を元に提出して、あとから追加書類や詳細な説明を求められ困ってしまうこともあります。
また、書類作成を簡単に考えていて、いきなり不許可ということもありえます。書類作成には十分な準備をしなければなりません。
以下に挙げる書類は認定申請(海外からの呼び寄せる申請)、変更申請(国内にいる外国人の申請)に共通する主な書類を抜粋しました。
- (1)在留資格認定証明書交付申請書(認定申請)
或いは在留資格変更許可申請書(変更申請)
- (2)写真(縦4 cm ×横3 cm)
- (3)返信用封筒(認定申請)
パスポート及び在留カード(変更申請)
※ 提示のみで,提出の必要はなし。
- (4)上記カテゴリーのいずれかに該当することを証明する文書
カテゴリー1
四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)「一定の条件を満たす中小企業等」については,所管省庁等から
の認定通知書等(写し)
カテゴリー2及びカテゴリー3
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
- (5)専門学校を卒業し専門士又は高度専門士の称号を取得した者については,専門士又は高度専門士の称号を付与されたことを証明する文書
※ 専門学校のコース(学科)名から専攻内容が不明である場合,成績証明書の提出も併せてお願いしています。
- (6)申請人の活動内容等を明らかにする労働契約締結書類
労働基準法第 15 条第1項及び同法施行規則第5条に基づき,労働者に交付される労働条件を明示する文書
※ 雇用契約書に「○○業務全般 その他関連業務」とある場合,主たる業務が何か,また,その他関連業務について具体的に説明する文書の提出。また,必要に応じ,専門学校で修得した知識が,どのように業務に生かせるのか,説明を求める場合がある。
※ 派遣契約に基づいて就労する場合(申請人が被派遣者の場合は)
申請人の派遣先での活動内容を明らかにする資料
(労働条件通知書(雇用契約書)等)
- (7)申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書
①申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書
②学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書
(ア)大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書。なお,DOEACC 制度の資格保有者の場合は,DOEACC 資格の認定証(レベル「A」,「B」又は「C」に限る。)
(イ)在職証明書等で,関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学,高等専門学校,高等学校,中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。)
(ウ)IT技術者については,法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書※(5)の資料を提出している場合は不要
(エ)外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合
(大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に従事する場合を除く。)は,関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書
- (8)登記事項証明書
- (9)事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
①勤務先等の沿革,役員,組織,事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書
②その他の勤務先等の作成した上記アに準ずる文書
- (10)直近の年度の決算文書の写し
- (11)上記(4)のカテゴリー1に該当しない場合
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できないときは,その理由を明らかにする資料。
その他:新規事業の場合は事業計画書など。