技能実習生の転籍はできる?できる場合の条件は?

技能実習生は原則、転籍(働いている会社を変えること)はできないです。
ですが、やむを得ない事情がある場合の転籍は認められます。
2024年11月1日付で、やむを得ない事情を明確化、技能実習生の手続きを明確化・柔軟化が案内されました。

令和6年11月1日からやむを得ない事情がある場合の転籍の運用を改善しました

ぎのうじっしゅうせいのてんせきは、OTITのホームページで、かくにんしてください。
(ベトナム、中国、インドネシア、フィリピン、タイ、カンボジア、ミャンマー、モンゴル、えいごがあります)


やむを得ない事情がある場合の転籍(外国人技能実習機構からのリーフレット)

1、どんな事情が「やむを得ない事情」ですか?

それでは、具体的にどのような事情が「やむを得ない事情」なのでしょうか?
・ 実習実施者の経営上事業上の都合
・実習認定の取消し
・ 実習実施者における労使間の諸問題
・実習実施者における暴行等の人権侵害行為や対人関係の諸問題

つまり、転籍の条件は、転籍を希望する技能実習生に「やむを得ない事情」があることです。
その「「やむを得ない事情」があること」が事実であると証明できる録音や写真等の資料があれば、それも提出しましょう。

更に詳しくは、以下のような事柄が、「やむを得ない事情」です。
運用要領参考様式第1- 44号技能実習生手帳より抜粋

・実習先から、クビだ、などと解雇する旨を告げられた。
・退職合意書にサインするなど、実習先と雇用契約を解除する旨の合意をした。
・自分や同僚が暴行や各種ハラスメント等の人権侵害行為を受けた。 

例えば:
・暴言、脅迫・強要、セクハラ、マタハラ、パワハラなど
・旅券や在留カードを保管するといって取り上げられている
・外出を不当に制限されている
・私生活の自由を不当に制限されている

・重大悪質な法令違反行為があった場合
認定計画に記載された作業と異なる作業をした
認定計画に記載された作業時間と大きく異なる時間働いた
実習先とは異なる会社や人の指示の下で働いたなど、認定計画と大きく異なる実習をした
多額の未払い賃金がある。
時間外労働に対して安い賃金しか支払わない約束をした、
製品を1個作るごとに賃金を支払う約束をしたなど、認定計画と異なる契約をした。

賃金から監理費を控除された
在留カードやパスポート、スマホを取り上げられた
失踪したら罰金を支払う約束をさせられた、など。
技能実習法に違反する行為をされた。

長時間の時間外労働や休日労働をさせられた
危険な作業にもかかわらず危険を防止する措置がとられなかった
労働基準関係法令に違反する行為をされた。

・重大悪質な契約違反行為があった場合
実習先と交わした「雇用契約書及び雇用条件書」や「技能実習の期間中の待遇に関する重要事項説明書」で示されている労働条件や待遇と、実際の労働条件や待遇が違っている。

就業(技能実習)の場所、従事する業務(職種及び作業)の内容に関すること
休憩時間や所定労働時間、時間外労働の有無など、労働時間に関すること
休日となる日や、有給休暇の日数など、休日・休暇に関すること

基本賃金や諸手当、時間外労働の割増賃金率、賃金支払日、昇給、賞与、休業手当、賃金からの控除項目、1か月あたりの支払い概算額など、賃金に関すること
宿泊施設の広さ、場所、負担額など、宿泊施設に関すること

入国後講習中の手当、食費、居住費など、入国後講習中の待遇に関すること
その他の労働条件や待遇

・雇用契約締結時に雇用契約書や雇用条件書が交付されていない、又は雇用条件や待遇について母国語で説明を受けていない。

・現在の実習先で技能実習を続けることができないその他の事情がある。
例えば:
実習先で取り扱う食品等に対するアレルギーを発症した場合 など。

2、手続を明確化・柔軟化

さて、技能実習生に「やむを得ない事情」があり、転籍を希望した場合はどんな手続きをするのか?
その手続きが、明確化、柔軟化されました。

① 技能実習生は「やむを得ない事情」があるとして実習先変更希望の申出書(1-44号)を監理団体又は実習実施者に提出する。

② 監理団体又は実習実施者は、申出書の受領後署名欄を記入し原本を技能実習生に返却する。(団体監理型実習実施者は直ちに監理団体に申出書の写しを提出する)

③ 監理団体又は実習実施者は直ちに必要な事実関係の確認や是正指導を行う。
事実関係の調査に当たって、技能実習生の申出を裏付ける録音や写真等の資料が提出された場合には、やむを得ない事情があると認めやすくなりますので、そのような資料があるかよく確認してください。

④ 技能実習生に対して、転籍希望の申出に係る対応(実習先変更に向けた連絡調整を開始するか否か)について遅滞なく通知する「実習先変更希望の申出に係る対応通知書」(運用要領参考様式第1-45号)
事実関係の調査をして、「やむを得ない事情」があった場合転籍に向けて連絡調整を開始するか、或いは転籍せず是正指導するのかを技能実習生に伝えます。監理団体は、通訳を通して技能実習生が納得するように説明しなければなりません。

⑤ 転籍を認め得るやむを得ない事情があると認めた場合には、申出書及び対応通知書の写しを添えて、技能実習実施困難時届出書を外国人技能実習機構宛てに提出する。

<ご参考>
・技能実習生から実習実施者等へ転籍の申入れを行うための母国語で記した様式「実習先変更希望の申出書」(運用要領参考様式第1-44号)が整備され使いやすくなりました。

・外国人技能実習機構のホームページには9か国語で案内されています。
(ベトナム、中国、インドネシア、フィリピン、タイ、カンボジア、ミャンマー、モンゴル、英語)

・事実関係の調査については、事案に即して、技能実習生から提出された録音や写真等の資料により、やむを得ない事情があると認められる場合には、転籍が可能です。

3、注意点もよく覚えておいてください

そして、注意点も大切です。覚えておいてください。

転籍を認め得るやむを得ない事情に当たるとしても専ら技能実習生の責めに帰すべき事情によるものである場合には実習先の変更(転籍)が認められません。
以下の注意点をよく覚えておいてください。

注意:
①少しでも法令違反があれば必ず転籍できる というわけではなく、法令違反の態様が重大・悪質と認められる場合に転籍できることに注意してください。

②労働条件や待遇が少し でも違っていれば必ず転籍できるわけではなく、実習先がその違いを是正しないなど、その違いが重大悪質 と認められる場合に転籍できることに注意してください。

最近、自己都合やわがままなで、会社を辞める(転籍)したいという技能実習生が見受けられます。

技能実習生のイメージは「人権侵害行為」を受けた大変気の毒」という印象でした。しかし、最近は、技能実習生の方がわがままで、ヒドイ態度をとる場合もあります。

必要以上に、大袈裟に「人権侵害」を受けたと言って監理団体に転籍を言い立てる、日本人、同国人の先輩や同僚に暴力を振るう、自分のわがままで仕事をしない、等。
ですので、外国人実習機構や監理団体は、本当に「やむを得ない事情」があったのかどうかをしっかりと確認しなければなりません。

4、転籍手続中の技能実習生に対する生活維持の措置

転籍手続中の技能実習生に対しては、当該期間中の生活支援のため、在留管理制度上の措置を講じることになりました。該当する技能実習生は以下の手続を行ってください。

・転籍に向けた手続の期間中で技能実習を行えない場合には、必要に応じ、週28時間以内に限り、一般的な就労を認める

・転籍先の確保ができなかった場合で、「特定技能」への移行を希望する場合などには、「特定技能」へ移行するための特定活動を付与

詳しくは入管のHPから:
転籍手続中の技能実習生に対する在留管理制度上の措置について

2025年03月09日