外国人雇用に関心がある方なら「技能実習生」のことをご存じの方は多いのではないでしょうか。技能実習生を雇用している会社が身近にあるかもしれません。技能実習生の仕事ぶりをご覧になって、技能実習生の受入れを考えておられる会社様や人事の担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
技能実習生の数は令和5年6月末時点で約36万人です。取得数がかなり多い技能実習ビザですが、実際に技能実習生を受け入れるとなると何から始めたら良いのか?誰に聞いたら良いのか?いろいろと疑問や不安なことも出てくると思います。
また、2019年から始まった「特定技能」ビザとどこが違うのか?特定技能と技能実習のどちらで外国人の雇用を進めれば良いのか?と疑問を持たれたりしている方も多いかもしれません。
技能実習の制度趣旨は、開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に協力するというものです。制度的にもしくみも大変しっかりとしたもので、技能実習生もきちんと保護される制度です。ですが、技能実習生をめぐる残念な事件あることも事実です。ですので、当の技能実習生はもちろんの事、外国の送出し機関、受入企業、監理団体が法令遵守すること、そして受入企業、監理団体はしっかりとした受入態勢が必要不可欠となるのです。
技能実習ビザご相談・申請・受入サポート
出入国在留管理庁HPからのビザ関連更新情報
●2024年3月29日閣議決定
特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について(令和6年3月29日閣議決定)
● 2024年3月15日付:技能実習・育成就労・特定技能
出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律案
技能実習生受入れの流れ
- 1,監理団体の決定
↓ - 2,貴社と監理団体の契約
↓ - 3,雇用条件を提示
↓ - 4、送出機関が人材募集
(人選:候補生との面接)
監理団体と提携しており送出国から認定を受けている送出機関が人材を募集。
↓ - 5、人材の面接、人材の決定後雇用契約締結
↓ - 6、(日本)申請書類作成
(外国人技能実習機構:技能実習計画認定➡出入国在留管理局:在留資格認定証明書)
(現地)日本語学習などの入国前講習(約1ヶ月)、ビザ申請準備など
↓ - 7、現地にてビザ取得
↓ - 8、実習生日本入国
↓ - 9、入国後講習(約1カ月)
入国後講習に専念するための措置をとる。講習期間中に業務を行わせることは一切不可。
↓ - 10、受け入れ企業(貴社)に入社
監理団体を選ぶときのポイント
上の「技能実習生受入れの流れ」でもあるように監理団体は受入れ企業にとっての関りが大きく海外の送出機関とのパイプ役にもなっています。実習生を受け入れた後も受入れ企業の監督をするのが監理団体の主な業務となります。そのため、どの監理団体を選ぶのが良いのかは非常に重要になってきます。
- 1,各関係機関ときちんと連携できていること
技能実習ビザ取得は他の就労ビザに比べて関わる機関が多いのが特徴です。技能実習の中でも98.6%を占める団体監理型技能実習の関わる機関として、通常考えられるのは、日本の監理団体、海外の送出し機関、入国後講習の機関、外国人技能実習機構、出入国在留管理局など、申請人(雇用外国人)と受入れ企業以外に5つの機関が関わります。ですので、各機関と連携が取れている、情報共有できている監理団体を選びましょう。
- 2,貴社が依頼したい分野の実習生を受入れた経験があること
介護や建設系など、固有要件がある分野があります。そのため、必要書類にプラスしなければならない書類があります。これらの固有要件を理解しており書類作成をスムーズに進めることのできる監理団体を選びましょう。理想は貴社が依頼したい分野の実習生の受入れ経験が3年以上ある監理団体です。
- 3,入国後も受入れ企業や実習生への指導・管理をまめに行っている監理団体であること
実習生の中には、入国しても生活や仕事になかなか慣れない人もいます。入国前後に講習を行って日本の生活や日本語を学んだりしますが、数か月ほどです。「わかっているだろう」と思っていても、実は分かっていなかったり勘違いして、とんでもない問題に発展したりすることもあります。
また実習先の企業で正しく雇用されているか、雇用条件は守られているかに気を配ってあげなくてはなりません。監理団体の業務目的は「企業を監督すること」にも関わらず、それが出来ていない監理団体も残念ながらあります。まめに受入れ企業に出向いて指導・監理してくれる監理団体を選んでください。
技能実習生入国まで期間のめやす
ご依頼から実習生の入国までの期間のめやすは通常5ヶ月~8ヶ月です。
(それぞれの会社、業界、国籍、など事情によって異なりますのでご希望日をご相談ください)
技能実習ビザご相談・申請・受入サポートに関して
上記でご覧頂きましたように、技能実習には気を付けなければならないことが他の就労ビザより複雑です。制度のポイントをよく理解しておかないとのちのち大変な問題が起きる可能性もあります。
とはいえ、初めて技能実習生を受入れるときは分からないことだらけで当然です。ですが分からないまま、監理団体に任せきりにせず、分からないことはご確認下さい。監理団体の担当者でも、私たちのような就労ビザに詳しい専門家にでも、是非聞いてみてください。
当事務所へも「技能実習生」に関するご質問や疑問点がございましたら、どうぞご相談下さい。例えば
「どんな仕事でもさせるとこができるの?」
「うちの会社で受入れはできるの?」
「どこの国からどんな人材を紹介してくれるの?」
「費用はいくらくらいかかるの?」
「どんなことに注意したらいいの?」
など。
お話が進む場合は提携する監理団体の専門家が貴社にご説明に伺います。
申請に関すること、そして受入れサポートに関することまで、
より詳しくお知りになりたい場合は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。
技能実習に関して詳しくは、以下の「技能実習ビザに関するお役立ち記事・ブログ」も是非ご覧ください。
出典:
外国人技能実習制度について(法務省 出入国在留管理庁厚生労働省 人材開発統括官)
令和6年1月31日改訂版
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